すると、ある生徒さんがふと「良いですよね！」と一言。世代を超えてこの曲を共有できる喜びに、僕は思わず「そうなんですよね！」と力強く返しました。その一言に、自分が心から好きだと思うものに共感を得られたような気がして、心がとても温かくなりました。この曲が流れる中、いつも以上に心が高揚している自分の姿が、生徒さんにも伝わっていたのかもしれません。こういった波長の合う瞬間というのは、本当に特別です。なぜか「生きててよかった」と感じると同時に、自分とその人が同じ景色を見ているような気持ちになります。
クリスマスソングというのは、今の僕にとってはどこか懐かしい存在でもあります。思春期や青春時代の甘酸っぱい思い出を呼び起こすきっかけになることが多く、当時の純粋な気持ちを思い出させてくれるのです。当時は、クリスマスソングを聴きながら街のイルミネーションにワクワクしたり、好きな人へのプレゼントに悩んだりと、心が忙しくも充実していたものです。今では、季節ごとのイベントに対して粛々と向き合うことが少なくなりがちですが、それでも周りの人々が賑やかに楽しむ様子や、誰かの相談に乗ったり楽しみ方を聞いたりする中で、まるで自分のことのように幸せな気持ちになれる瞬間があります。
テニスのレッスンを通しても、こうした何気ない出来事が頻繁に起こります。一見、テニスの上達とはかけ離れているように感じるかもしれませんが、実はこういった心が弾む瞬間や楽しい空気感が、大切なスパイスになっているのだと思います。技術を学ぶだけではなく、心が自然と開放される環境でこそ、本当の意味で前向きに取り組むことができるのではないでしょうか。
今回の出来事を通じて、改めて音楽や季節感が持つ力を実感しました。それらが繋げてくれる人との波長や、思い出と今を行き来する感覚は、僕にとって何よりも大切な瞬間です。そして、それを共有できる仲間や生徒さんがいることが、何よりも幸せだと思えた一日でした。