朝7時に起きてジョギングをする、決まった時間に食事を取る、毎晩読書をする。
このような習慣を持つことは、確かに生活を整え、心身の健康を支える大切な要素です。しかし、そこに少し「不規則」を取り入れることで、新たな可能性が開けることをご存じでしょうか。
たとえば、脳科学の研究によれば、毎日同じことを繰り返すと脳がその作業に慣れ、効率よく処理するようになります。これは良い側面でもありますが、一方で脳が刺激を受けにくくなり、新しい発見や発想が生まれにくくなるという指摘もあります。一方、普段のリズムに少しだけ不規則性を加えると、脳の「意外性を察知する機能」が働きやすくなり、新しい刺激に対して敏感になります。例えば、ジョギングを毎朝行う習慣がある場合、ルートを変えたり時間を少し前後にずらしてみたりするだけで、いつもと違う風景や気づきが生まれるかもしれません。
また、毎日の食事も同じです。いつもご飯を主食にしている場合、時々パンにしてみる、または普段選ばないジャンルの料理に挑戦してみる。それだけでも、新しい味覚の発見や食事への感謝の気持ちが深まることがあります。これらの「不規則な変化」は、決して日々の習慣を崩すものではなく、むしろその習慣をより豊かに、意味のあるものにしてくれるのです。
一方で、不規則性は時に外部からやってくることもあります。たとえば、家族の急な用事や、会社で予想外のトラブルが起こったとき、普段のルーティンが崩れることがあります。そんな時、多くの人は「予定が狂った」と感じてイライラしがちですが、少し視点を変えるだけでポジティブな発見につながることがあります。
たとえば、予定外の出来事がきっかけで新しいアイデアが浮かんだり、普段気づかないような人の気遣いや優しさに触れることができるかもしれません。このように、「予想外を楽しむ」という柔軟な姿勢を持つことは、私たちの日常に意外な彩りを与えてくれるのです。
この考え方は、スポーツにおいても同じことが言えます。たとえば、テニスの練習でいつも決まった練習メニューを繰り返すことは大切ですが、ときにはその順序を変えたり、新しい練習方法を試してみたりすることで、プレーの幅が広がります。
また、練習相手を変えることで、異なるタイプのプレースタイルに適応する力が身につくこともあります。このように「規則的な不規則」を取り入れることで、スポーツにおいても技術や感覚を磨き、新たな成長のきっかけを得ることができるのです。
「規則的な不規則を心がける」というのは、単に習慣を崩すということではありません。それは、私たちが日々の生活やルーティンに対して「柔軟である」という姿勢を持つこと。規則的な生活は安定をもたらしますが、そこに少しの不規則性を加えることで、私たちの感覚や視点は新鮮さを取り戻し、日常に隠れた喜びや発見を見出すことができます。そして、予測できない出来事に対しても、それをチャンスと捉えることができれば、私たちの生活はより豊かなものとなるでしょう。
規則的な不規則を取り入れることで、自分自身の可能性や周囲の世界の広がりを感じてみませんか？