「心を鍛える言葉」岬龍一郎著

大谷翔平選手が尊敬する人と彼の名前を挙げてから知る人のみぞ知る天風先生から、一般の人にも知られるさらなる偉人へと変わりました。

自分だけが知っていると言った、ちょっとした優越感に浸っていた頃もありますが、やはり彼の考え方や彼の教えは、実は日本の歴史を築き上げてきた人たち、すべてに影響与えたのではないかと強く感じます。

野村克也氏で有名になったヤクルトスワローズの当時の快挙ですが、実はその前に広岡達郎氏が基盤を築き上げたとも言われています、その彼も師事をしていて、KDDIやJAL再建で有名人になった元京セラの稲盛和夫氏や、パナソニックやPHP研究所作った松下幸之助さん、枚挙に暇がない位かなりの日本における歴史的な人物が師事しています。


ウィキペディアで検索すると思想家としか出てこない天風先生ですが、彼の生い立ちまで知ることができ、非常に参考になるそしてためになる何度も読み返したくなる1冊でした。


岬龍一郎の「心を鍛える言葉」は、中村天風の精神と哲学を紐解く実践的なガイドブックです。

中村天風という人物は、その生涯を通じて心身の調和と精神的な成長を追求し続けたことで知られ、多くの後進に影響を与えました。


本書では、その教えがどのように日常生活に応用できるかが丁寧に解説されています。

本書の最大の魅力は、天風先生の教えを具体的で実践的なアドバイスへと落とし込んでいる点にあります。

自己対話や呼吸法、目標設定、精神統一の技術など、具体的な方法が紹介されており、読者はこれらの技術を通じて自己改善の努力を始めることができます。

特に印象的なのは、逆境に立ち向かう心構えの章です。

人生において避けられない困難や挫折にどう対峙するは、誰にとっても重要な課題です。

岬は天風の教えを引用しながら、これらの困難を乗り越えるための精神性の高め方を解説している。

その中で、彼は「困難は自己成長の機会である」と強調し、読者に向けて前向きなメッセージを送っている。

さらに、この書籍はビジネスマンやスポーツ選手だけでなく、日常生活で精神的な平穏を求める一般の人々にも有益です。

天風の教えがいかに普遍的であるかを、具体例を交えて説明してして、それによって読者はそれぞれの生活環境においてこれらの教えをどう活用できるかを理解できるようになると思います。

しかし、同時にすべての読者が本書の内容をすぐに受け入れられるわけではないと思います。

中村天風の教えは深い内省を必要とするため、それには正しく自己と向き合う勇気が求められます。

そのプロセスは時に厳しいものであり、すべての読者が同じように受け入れるとは限らないものです。

最終的に、「心を鍛える言葉」は、心と体のバランスを整え、より良い自己を目指す人生において非常に価値のある一冊です。

この書籍から得るものは多いですが、それには自己と真摯に向き合う姿勢が不可欠です。

この本を手に取ることで、多くの人々が自己実現の道を歩み始める第一歩を踏み出すことでしょう。