酒と自己再確認/45歳を過ぎて感じるリセットの必要性

人生の半分を過ぎた頃、多くの人は自らの生き様や価値観について深く考えるようになります。私も例外ではなく、45歳を超えて、これまでの生き様や習慣について振り返るようになりました。中でも、お酒に対する考え方に一つの変化が訪れました。

不思議なことに、家系的にはお酒を楽しむ者が多い中、私は生まれながらの下戸でした。大人になってもその嗜好は変わらず、お酒の魅力や楽しみ方には疎く過ごしてきました。しかし、日常の中で気づかないうちに蓄積される微細なプレッシャーや疲労。このような無意識の中のストレスが、私の中に微細な亀裂を生じさせ、緊張や気疲れが積み重なっていることを感じるようになりました。

ある日、友人との食事の席で初めてワインを楽しんだ際、その深い味わいや余韻が私の心に響きました。その瞬間、自分の心が緩むのを感じ、それまでの緊張がほどけていくのを実感しました。その後、お酒を楽しむ時間が私にとっての「自分時間」となり、日常の微細なプレッシャーから解放される瞬間となりました。

お酒を飲むことは、コントロールのきかない自分と向き合うきっかけとなります。酔いの中で自分の心の中を見つめなおし、その中に潜む真の自分を再確認することができます。

もちろん、この「自分時間」は過度になると迷惑をかける可能性があるため、その範囲を見極めることは非常に重要です。しかし、適度な量でのお酒の楽しみは、自らの心と体のリセットボタンとして機能しています。

最終的に、迷惑をかけない範囲でのお酒の楽しみは、私たちの心と体のリセットを果たしてくれる高尚な役割を持っています。それは、時には自分を見失いがちな日常から一歩引き、自分自身を再確認する貴重な時間となっています。