愛とためらいの哲学

「愛し方」について書かれている本です。

人を好きになる、愛すると言う事は、その人の能力次第で育むことができるといった内容になっています。

心理学や脳科学の本は、割と僕的には読み漁っている方ですが、個人的に気にいった理由は参考文献を引用した場合はページごとにどの文献かと言うことが記載されている点です。

アドラーはもちろんのこと三木清さんや和辻哲郎、聖書などあらゆる社会的に認められたこともある文献から学びを得られています。

三木清さんの人生論ノートは、前回blogに書かせていただきましたが、おそらくこの文献以外にもあらゆる原典を理解した上で書いているのだと感じました。

人を愛することは努力で育まれると言うことを前提に話している点はとても興味深く、ある程度までは努力で培うことができると感じました。

例えば、自分の例に取ってみると、大学生でテニスを始めた時に「お前はセンスがない」と先輩に揶揄されましたが、結局のところ選手にはなれませんでしたが、テニスの指導者として生計を立てるまでにいたりました。

もちろん、多くの方のご助力があっての今の私ですが、自分に才能がないからこそ、色々と学びを広げ、厚かましくも業界の偉い人たちにお話を聞いたこと、自分自身のテニスへの価値観を育んだからこそ今の自分があると思います。


運動能力も、人を愛することも、勉強も全て、まずは今の裸の自分だけでなく、あらゆる可能性を見つけて、壁にぶつかりつつも、努力を繰り返し継続していくということが大切だと感じました。


加えて、努力して本当に努力して、駄目だった場合は、次に行けばいいと述べている点は言葉の上ではとても簡単に思えますが、文章を読み解いていくうちに、すごく深く意味のある内容だと感じるようになりました。

恋愛のみならず、家族や友人、すべての人に対する「愛」について悩んでしまった場合は、この本はとても役に立つのではないかと思います。