選手の成長と大人の約束

「アイスおごって!!」…

指導者をしていると冗談交じりの母子供がコミュニケーションの一環として投げかけてくる言葉。

そして「中学生になったらね」と言うような曖昧なそして忘れてるだろうと予期しながら返す大人の術。

例えばの話で、大人と子供の中ではごくごく日常の会話として間どうでもいいようなコミニケーションが繰り返される。

お互いが忘れる事で何の問題も起こらない勝利の方程式ですが、意外と子供の心の中に残っていることがあります。

何百人、もしかすると何千人と子供たちそしてこの中で彼らが将来の可能性はこの一見どうでもいいような軽はずみな言動に左右される場合が多いようです。


子供たちが発信してくれる不平や不満は必ずと言っていいほど大人側から見れば「どうでもいいこと」なのですが彼らにとっては「最重要事項」に位置するようです。

古語に「大事の前の小事」とありますが、正しく彼らはその言葉が恐ろしいほど当てはまるようです。


どうでもいいことを達成されたタイミングで、かつ彼らの望みを口に出した瞬間に実現されなければなりません。

将来的に「大人を信頼できる子供」になるか否かはこの点に大きくあるようです。

さて、本題に戻ります。

たまたま(今回に限っては相手は気づいていない)「アイスおごってくださいよ!!」と球拾いのついでの言葉のように投げつけられたことがありました。

もちろんお互いそんなことを覚えていなかったので「それは無理だよ」と一蹴しました。

そんな会話を繰り返していくとなんだかモヤモヤしたものが私の心の中に巻き起こってきました。

そういえばなんかそんな約束をしたことがあるな……と思い出してきました。
もちろん相手は覚えてません。

しかし、きっと超本能的に表層意識ではなく深層意識で何かを感じた結果、言葉が投げつけられたのかもしれないと私は悟りました。

私の子供の頃に誓った矜持で「一見、どうでも良いことで嘘つく大人にはならない」と言ったものがあります。

「そういえば……」私の脳裏によぎりました。

結果約束したことを告白し、うろ覚えだった相手も「そうだったかなぁ」と言ったように長きにわたる走れメロスは完結しました。

もちろん私の場合は「私自身が自分に嘘をついているかどうか」と言った矜持になるため少し独善的な部分がありますが(笑)

基本的な考え方は同じだと思います。

色んな子と時間を共にしてきましたが、この大人のどうでもいい一言は子供にとって致命的なダメージとなることが大きいようです。

また、同時に軽はずみな(忘れがちな)約束はしないようにしていきたいと思います(笑)

お互いの歴史に1つ信頼関係が深まった1ページを刻んだ瞬間でした。