ガットの張り替えとテニスの感覚

先日お客様との会話の中で「ボールの飛びが悪くなって落ちなくなった、張り替えお願いします」とやりとりをしたときにこの方すごいなぁ……と感動したのを思い出します。

もともとナチュラルストリングスの打球感が気に入られていたのですが、頻繁に切れるためコスパを考えてポリガットに移行。

もともと横にはポリをかましていたのですが、ナイロンガットは打球感が違いすぎるためあまり好みでは無いとの事でした。

このことから考えられるお客様のお好みや傾向は下記の通りではないかと妄想してみました。

ポリガットとナチュラルガットは反発係数は似ていると言われています。対してナイロンガットはこの2つに対して反発係数が低いと言われています。

ポリガットとナチュラルガットは全く違う性質のように思われがちですが、プロの選手の使用率を見るとこの2つが高いように思います。

反発力から打球感を重視する傾向にあるのだと思います。

もちろんナイロンガットが悪いわけではありませんが、この点を重要視するのであれば上達の上ではよりナチュラルに近い反発係数のナイロンガットがタッチのセンスや、無駄のないスイングを身に付けていくのには必要なものなのかもしれません。

そしてナチュラルガットとポリガットとの大きな違いは、前者がサキイカのようにささくれていくのに対して、後者は飛びが悪くなって硬くなっていく性質を持っています。

多くの人にポリガットを勧めることができない理由は「素材の変化」に繊細に気づくことができない点にあります。

個人的にはナイロンガットが切れないスイングはポリガットを使用しても本当の良さに気づくことができないと言う持論を持っています。

なんとなく切れないから「もったいない」や「自分の実力が足りない」と思いがちですが、むしろ適切な感覚で「打球を感じる」ことができなければ上達に臨むことができないのかもしれないと痛感した瞬間でした。

よく、ペコペコのテニスボールやノンプレッシャーのテニスボールでテニスをするとへたくそになると言われます。
いつも新品である必要はないと思いますが、これらの事は一理あると思います。
よく、ペコペコのテニスボールやノンプレッシャーのテニスボールでテニスをするとへたくそになると言われます。
いつも新品である必要はないと思いますが、これらの事は一理あると思います。

なぜならば、適切にボールを飛ばす感覚はさるべき素材のものを用いて行わなければならないからです。

ポリガットをご使用の皆様、ボールの飛びや少しの打感の差に繊細になってはいかがでしょうか。

この点をないがしろにしてしまうと手首や肘肩腰の違和感や痛みを引き起こす結果となってしまいます。

心地よくプレイをしながら、楽しく上達するためにも可能な限りでガットに対する自身の感覚を信じてみると良いのではないかと感じた刹那でした。