親が見た子供の様子と他人から見た子供の様子の「差」が大きくなると言う事は子供自身が「自立」していると言うことにつながると言うこと。

保護者の方からお話いただきました。


家ではわりかしずぼらで、試合でも思うように行かなければ帰りの車の中ではふてくされている(普通のジュニアは子供が親の酷評に気を使うしんみりとした車内のはずなのに……)親御さんがお子さんに気を遣う始末…。


一方でテニスのレッスンには学校や部活の用事がなければ必ず10分前に来ているし、練習中もきちんと最後まで(球拾いも含む)やり切るようなお手本であり、鏡のような子。


そんなある日事件が起こりました… 

その子が5分経っても10分経ってもレッスンに来ない…

「やっときた……」

「遅れてごめんなさい」

ただ一言だけ……


(様子が変だと思い)

(きっとこの子の事だから何か理由があったのだろう)

「どうしたの?珍しいね?」


「子供が指を挟んで、それを見たお母さんが放心状態ですごく動揺していた」

テニスが大好きで、自分のレッスンが遅れるかもしれないのにどうやらその親子を心配になり見守っていた様子。

病院に行くか手当てされたほうがいいですよ的なことを事態が収束しそうなタイミングで一言声をかけてきたようです。

「凄いね!偉いね!」のコーチからの返答に対して…



「でも結局僕は立って見てることしかできなかったけどね(照笑)」


これって本当に凄いことだなと思いました、きっとこのことは親御さんには報告せずに終わっていることなのでしょう。

僕たちも仕事が忙しくて、もしこのような事態が起きたときに彼のように見守ってあげることができるのだろうか?と考えたときにこういったとっさの機転や優しさを見せることができるのかと自問自答しつつも、彼の人間性の高さに感銘を受けました。

パニック状態に陥ったとき、第三者の一言と言うのは脳の状態を冷静に保たせることもできる役割を果たします。

おそらくそのことを彼は知らないでしょう。

しかし、彼の行動は素晴らしい振る舞いだと思います。

勉強以上に大切なこと!それは人として本当の意味での優しさを持てるかと言うことだと私は思います。