社会に出ると、「1を言えば10を知る人」「1を言っても10言わないと1すら理解できない人」「1を言って1だけできる人」、あるいは「1を頼んだだけなのに、10以上のクオリティで応えてくれる人」に出会う。どれも珍しい話ではなく、それぞれの価値観や経験、環境によって生まれる違いだ。しかし、若いうちから「1を言われただけで10以上のクオリティを提供できる人」に出会うと、純粋に驚かされるだけでなく、大きな期待と可能性を感じずにはいられない。
こうした姿勢を持つ人に共通しているのは、「ただ言われたことをやるだけではなく、その背景まで考え、自分なりの価値を加えて行動できる」という点だ。ただの作業ではなく、「自分がどう貢献できるか」を考えながら動いている。この姿勢は、学び方や環境によるところも大きいかもしれないが、やはり本人の意識の持ちようが大きく影響しているように思う。
こうした姿勢を持つ人は、頼んだ側にとって「ただの手伝い」以上の価値を提供するだけでなく、社会全体の未来を明るくする存在でもある。なぜなら、積極的に物事を学び、考え、成長していくことで、新しい風を吹き込むからだ。新しい価値を創り出し、より良い未来を築く力を持っている。そうした可能性を感じるたびに、「自分もまだまだ学ばなければならない」と思わされる。
一方で、社会に出て経験を積んだからといって、必ずしも「1を言えば10を知る人」になれるわけではない。むしろ、年齢を重ねるほど「決められたことをこなす」ことに慣れてしまい、考える力が衰えていくケースもある。だからこそ、若い世代の姿勢から学ぶことは多い。その柔軟な発想や自発的な行動力を見て、自分自身も「言われたこと以上の価値を提供できるか？」と問い直すことが大切なのかもしれない。
また、「学ばせてもらっている」という感覚にも、改めて考えさせられる。お手伝いを頼んでいる側が、実は助けられているだけでなく、新しい視点や気づきを得ている。若い世代から学べることは、知識やスキルだけでなく、その柔軟な発想や行動力、そして「どうすれば相手の期待以上のものを提供できるか」という姿勢そのものだ。
社会は「与える側」と「受け取る側」に分かれるものではなく、互いに影響し合い、学び合う場だ。だからこそ、私はこれからも、可能性に期待しながら、「学ばせてもらう」姿勢を忘れずにいたい。