特に避けるべきなのは、ドリームキラーのような存在だ。彼らは「そんなの無理だよ」「努力しても無駄」といった言葉を投げかけ、チャレンジ精神を削ぐ。こうしたネガティブな言葉を受け入れてしまうと、子どもは自分の可能性を狭め、挑戦する意欲を失ってしまう。また、クリエイティブボーイも厄介だ。彼らは「この方法が一番いいんだ」「理論的にはこうだから」と、自分では実践していないにもかかわらず、机上の空論を振りかざす。こうした人の言葉に振り回されてしまうと、本当に大切な実践の部分が疎かになり、成長の妨げとなる。
さらに、たいした成功をしていないのに、さも成功者のように話すフェイクサクセスも警戒が必要だ。こうした人は、自分の経験を過大評価し、それを他人に押し付ける。実際には大した成果を上げていないにもかかわらず、「俺のやり方が正解だ」と語るマイウェイマンもまた、子どもの可能性を狭めてしまう存在だ。彼らは他のやり方を認めようとせず、「自分の経験だけがすべて」という態度をとるため、子どもが多様な視点を持つ機会を奪ってしまう。
子どもの成長を考える上で、こうした人々との関わり方を慎重に考えることは不可欠だ。場の流れを読まずに軽率な発言や行動をし、周囲を振り回すムードメイカータイプの人々にも注意が必要だ。「そんなに真面目にやる必要ある？」「楽しめればいいじゃん」といった言葉で、子どもの集中力やモチベーションを削いでしまう。楽しさはもちろん大切だが、それだけでは成長にはつながらない。努力のプロセスを楽しむことが重要であり、単なるノリで流されるのは避けるべきだ。
このように考えると、子どもが本当に成長するためには、単に「多くの人と関わる」だけでは不十分であり、「どんな人と関わるか」が鍵となる。親以外の大人との関わりは、自己肯定感を育て、視野を広げる大きなチャンスになるが、それが適切な環境であることが大前提だ。ポジティブで成長を後押ししてくれる人、実際に結果を出している人、フィードバックを適切にくれる人と関わることで、子どもはより健全に成長することができる。そしてこれは、大人にとっても同じことが言える。どれだけ経験を積んだ大人であっても、周囲の環境によって成長の方向性が決まる。誰と関わるかで、視野が広がるか、それとも閉ざされるかが変わってくる。
逆に、ドリームキラーやクリエイティブボーイ、フェイクサクセス、マイウェイマン、そしてムードメイカータイプの人々とは、適度な距離を取ることが大切だ。彼らの影響を受けすぎると、努力の方向性がブレたり、本当に必要な経験を積む機会を失ったりする。特に、子どもは影響を受けやすいため、周囲の大人が適切な環境を整え、関わる人を慎重に選ぶことが重要になる。だが、大人もまた、人間関係によって成長の仕方が左右される。誰と仕事をし、誰と日々の会話を交わすかによって、前向きな思考が身につくのか、それとも無意識のうちに後ろ向きになってしまうのかが決まる。大人の成長もまた、環境によって大きく影響を受けるのだ。
多くの人との関わりが成長を促すのは間違いない。しかし、関わる相手を選ぶことができなければ、その成長はむしろ阻害されてしまう可能性がある。子どもが本当に伸びる環境を作るためには、「多くの人と関わること」のメリットを活かしながら、「距離を取るべき人」との線引きをしっかり考えることが必要だ。そして、それは子どもだけではなく、大人にとっても同じである。結局のところ、関わる人の選択が、その人の未来を大きく左右するのだから。