テニス上達の鍵、焦らず楽しむ大人の取り組み方

テニスの上達を目指すためには、技術や知識を得ることが大切ですが、大人になってからの上達にはそれ以上に自分自身と向き合い、心に余裕を持ちながら取り組むことが必要だと思います。

目的をしっかり持ち、どういうショットを打ちたいのかを具体的に考えることで、自分の成長を楽しみながら続けていけます。

焦らず、長い時間をかけて技術を自分なりに味わいながら習得していくことで、最終的に良い結果に繋がることが多いです。

例えば、ボレーの練習をするとき、速いボールを鋭く打つのか、それとも柔らかく返してボールの勢いを殺すのか、そういった異なるスタイルを練習することが大切です。この両方のボレーを練習し、使い分けることで、より良い感覚が身につきます。

そして、プレーのレベルによって求める技術やその質も変わってくるので、今の自分に合った方法で取り組むことが大切だと思います。

また、相手がどんなショットを予測しているのかをよく観察し、その逆を突くことも効果的です。

例えば、相手が速いボールを予測しているときに、あえて柔らかく返すことで、試合の流れをこちらに引き寄せることができます。こういった戦術的な考え方も、テニスの楽しさを広げてくれます。

生徒さんに対しては、実際に起こったプレーについて、「なぜそれが良かったのか」「うまくいかなかった場合はどうしたら次に繋がるのか」といったことを前向きに伝えるようにしています。

無謀なチャレンジでなければ、たとえ失敗しても、その中に何かポジティブな要素を見つけて伝えることが大切だと思っています。

それぞれの生徒さんが違ったペースで成長していくので、そのペースに合わせたアプローチを心がけています。

技術がある程度身についている場合は、タイミングをどう合わせるかという点が重要になってきます。ただし、これを伝えるのは簡単ではありません。

生徒さんがその瞬間を理解し、自分のものにしようとする意欲がなければ、いくら説明しても伝わりません。ですから、タイミングよく適切なアドバイスを届けるためには、生徒さんの状態をしっかり観察することが必要です。

最終的には、感覚的な理解が生まれる瞬間に、生徒さん自身が「できた」と感じることが、上達への大きなステップとなります。

その瞬間は、言葉にしなくても、動作がスムーズになり、結果が伴った時に見えてきます。


その時こそ、「伝わった」と感じる瞬間です。コーチとしての役割は、そのきっかけを作ることに過ぎません。最終的に、生徒さんが自分自身で達成感を得られるようにサポートしていくことが大切だと思います。すぐに答えが出ることは少ないですが、自己研鑽を繰り返し、常に好奇心を持ちながら取り組んでいくことで、少しずつ成長していくのだと思います。