自分の感覚がよりシンプルなものに惹かれるようになり、わずかな時間や些細な出来事に心が満たされる。
例えば、野菜の種を巻いて水をやること、それが少しずつ成長していく姿を見守ること。
強者たちのレッスンをさせてもらい、食事の後にたった15分の仮眠でも、心身がリフレッシュされて、その後の活動に前向きになれること。
そして、仲間と共に何かを成し遂げた後に過ごすささやかな会話の時間や、一緒にご飯を食べながら笑い合う30分は、何にも代え難い宝物のように感じられる。
私たちは、成長過程でさまざまなコミュニティーに属し、それぞれの場で異なる価値観やルールを学んできた。
保育園や幼稚園、小学校から始まり、中学校、高校、そしてその先の専門学校や大学、社会人としての生活と、常に新しい価値基準に触れてきた。
そんな中で、無意識のうちに「これが正しい」「これが普通」と信じ込んでしまうことも多い。
特に自己顕示欲が強かったり、権力を持つ立場にいる人の意見や行動が、その場の絶対的な価値観として扱われることがある。それが繰り返されると、自分の本当の楽しみ方や価値観が変えられてしまうこともあるのだ。
気づかぬうちに他人の基準に合わせて自分を変えてしまうことは、子供の頃の純粋な楽しさを見失う原因になる。
子供の頃、私たちは超どうでもいいことに夢中になり、意味のない遊びにも大きな喜びを感じていた。
それは、誰かに見せるための行動でもなく、ただ自分が楽しいと感じるからこその行動だった。
しかし、成長するにつれて他人の目や評価を気にするようになり、自分が心から楽しむことよりも周囲に認められることを優先してしまうことが増えてくる。
自分の価値観が押し付けられた結果、何が自分にとって本当に楽しいのかを忘れてしまうことさえある。
だからこそ、時には立ち止まって自問自答し、本当に自分が楽しめることを再確認することが大切だと思う。
そして、それが他人から否定されるものであっても、自分にとって大切なものであれば、その楽しさを守り続けていく勇気も必要だ。
ネガティブな意見を持つ知人や友人がいるなら、無理に近づく必要はない。自分の心地よい居場所や、共感できる人々との関係を大切にすればいいのだと思う。
もちろん、社会の一員として生きていく以上、最低限のルールやマナーは守るべきだし、他人への気遣いや配慮も必要だ。
しかし、それが自分の幸せを犠牲にするようなものであってはならない。自分の中にある小さな喜びや楽しみを大切にしながら、他人の価値観に振り回されず、自分らしさを失わないことが、結局は一番大切なのかもしれない。
日常の中で見つけた小さな幸せを見つめ直し、自分だけの楽しさを追求する。
そのためには、自分の心の声に耳を傾け、外からの評価や常識に縛られないことが大切だ。そしてそのプロセスの中で、自分が本当に大切にしたいものや心から楽しめることが見つかれば、それが何よりの財産となるだろう。