強く言うべきか、優しくするべきか?結果にコミットするために…!

なぜ人は強く何かを言われると、なんとなくできたつもりになってしまうのかと言うところにフォーカスを当ててみました。

海外でお会いした優秀な(本人は思っているかは定かではありませんが、世界のトップ選手を育てた)指導者や、有名難関高に偏差値の著しく低い子たちを合格させた指導者は、誰しも一辺倒に物事を押し付けたりしないといった傾向から、皆さんのそれぞれのフィールドにおける一助とならばと思いこの文章を書こうと思いました。

強い言葉や厳しい指導が人に与える影響は、瞬間的には効果があるように見えることがあります。

例えば、厳しく指摘されるとすぐに行動を改めることで、「できた」と感じたり、指導者に対する従属的な反応が引き出されることがあるためです。

しかし、こうした瞬間的な効果が持続するかどうか、そして本当に成長やスキル向上につながるかは別の話です。強く言われて、結果として成績が上がったり、試合に勝てたりすることができればそれは良いのかもしれないが、多くの場合は、結果の伴わない自己満足に終わってしまうことがあるのです。

さらに別のケースも見受けられます。

成績が伸びない、パフォーマンスが上がらない、モチベーションが下がってしまうといったことも、こうした指導者によってはあり得ることです。

結果として、人は「自由度を抑圧されすぎる」とオーバーヒートを起こしてしまいます。

これは、思春期を迎えた子たちがいきなり親や大人に反発を始めるのに似ています。

また、会社や学校、サークルなどのコミュニティから離れると途端に冷静になるケースも多く見られます。俯瞰するタイミングを忘れずに持つことが重要です。

心理学の視点から見ると、強い言葉による指導が生徒の内発的なモチベーションを削ぐことが多く、結果的に長期的な学びや成長にはつながりにくいことが分かっています。

自己決定理論によれば、人は外的な圧力ではなく、自主性や関連性、能力感を感じたときに最も効果的に学習し、成長します。厳しい指導はこれらの要素を損なうリスクがあり、生徒は学習意欲を失い、新しい挑戦を避けるようになってしまうのです。

また、強い指導は短期的なコンプライアンスを高める一方で、見えない見える問わず生徒のストレスや不安を増加させ、結果的にパフォーマンスの低下や心理的な問題を引き起こす可能性もあります。

ストレス下では認知的負荷が増し、生徒は本来の力を発揮できなくなることが多く、特に複雑な問題解決や創造的な思考が求められる場面ではその影響が顕著です。

さらに、指導者と生徒の関係性も重要です。厳しい言葉が続くと、生徒は指導者や自分自身、遂には他人にに対して否定的な感情を抱きやすくなり、指導の受け入れが本能的に難しくなります。

ポジティブなサポートと厳しさのバランスが取れた指導が求められますが、厳しさが過剰になると関係性が悪化し、生徒の成長の妨げになります。

指導においては、ただ厳しく頭ごなしに矯正するのではなく、生徒の内発的なモチベーションを引き出し、持続的な成長を支えることが重要です。

優秀な指導者たちは、一辺倒に物事を押し付けるのではなく、生徒の自主性を尊重し、サポートしながら導いていくスタイルを取っています。

できないことを自覚する。
できないことをやりたいと理解する。
できないことに取り組もうと決心して行動する。


これは、生徒が自らの意志で学び、挑戦することを促すための効果的なアプローチです。

一時的な成功に囚われるのではなく、生徒が自身の力で「できた」と感じることができるような環境作りが、本当に意味のある指導につながります。

そのためには、厳しさと同時にサポートや理解を提供し、長期的な成長を見据えたアプローチが求められるのです。

双方共に日々精進が必要ですね!