ボールの質を極める!感覚と直感の大切さ

きっと学校でも勉強ができるだろう思春期真っ盛り少年から青年へ変わるジュニアとレッスンの時に話したことをブログにしてみました。

コーチングとして何かを伝えるときに、具体的に技術を指導すると言うことももちろん大切だと思うのですが、骨格や筋力、これまでに歩んできた道、考え方や、趣向、育ってきた環境様々なことを管理すると、純粋な技術の伝え方では本質に到達しないと個人的に思っています。

彼は少しだけ子供の頃にテニスをしていたことがあり、記憶の中でうっすらと「ボールを打ってました」といったレベルでした。

しかし、数回テニスをしていく中で、ボールの感覚といいますか「捉え方」が全くの初心者と違うと言う点に気づかされました。

「球の質」と言うものはテニス上達のため、強くなっていくためには究極のところ1番大切になってきます。

彼はこれが一般の人よりもずば抜けて良い。

それを伝えたいのだけれども、何か良い言葉がないかと思い、試行錯誤した結果、創意工夫を凝らした一言が「数学の文章題ってあるじゃん?その時に答えを考えるよりも、何かこう"閃き"ってあるじゃん?」、彼の顔を見ながら話しているとうんうんとうなずきながら「はい!」と返答するタイミングで、「球質と言うものは、この感覚に近いかな?」と僕が続けて話しました。


「あ〜!」と腑に落ちたように、彼はその意味を理解してくれました。

生徒さんの優れた場所を引き出すためには、その人に伝わる表現が必要です。

正直僕が言いたいことをどうやって伝えるか、人によってはお世辞だったり、気持ちよくさせるために言ってくれてるんだろうと思うこともあるでしょう。


しかし、実はコーチが褒めている言葉の中では、そういった八方美人的な要素は少なかったりします。

表現が、ディズニーの世界観ようになってしまうだけで実際のところ悪いことを褒めることはできません。


彼の表情は次第に真剣になり、僕が伝えたことを自分なりに消化しようとしているのが伝わってきました。その瞬間、「彼には何か特別なものがある」と確信しました。

テニスは単なる技術のみの習得なのではなく、感覚や直感、さらには精神的な成長も大切だということを再確認させられました。


その後のレッスンでは、彼の動きほんの少し鋭くなり、ボールに対する感覚が気持ちばかし研ぎ澄まされているのが感じられました。

まるで彼の中で何かが開花し始めたかのようでした。

でも、実際上達と言うのはそういったもので、本人が気づいてしまった時はかなりのレベルアップが結果として生じています。

だからこそ、コーチの「気づかせ屋さん」が大切なのだと思います。

きっかけがなければ飛躍はしないのですから…。

「この感覚を大切に、そして忘れないように」と僕は彼に念を押しました。テニスは技術以上にその人の「琴線に触れる」ことが大切だと言葉を変えて伝えました。

そして、彼がどこまで成長するのか、これからが本当に楽しみです。彼のような生徒がいるからこそ、コーチとしての喜びを感じられるのだと、改めて思うのです。

このように、生徒一人一人が持つ特別な才能や感覚を引き出すために、言葉の選び方や伝え方には慎重にならなければならないと感じています。彼の成長を見守りながら、僕自身もコーチとして成長していきたいと強く思いました。

そして、この経験を通じて、生徒たちの可能性を信じ、彼らの未来を照らすちょっとだけ「きっかけ的な」存在でありたいと心から願っています。