「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」 二重作拓也

「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」を読んで、私が特に感銘を受けたのは、脳の力の凄さです。

練習していてもなかなかボトムアップしないと嘆く前に読んでいただきたい1冊です。

本書では、脳がどれほど私たちのパフォーマンスに影響を与えるかが詳しく説明されています。

脳が身体の動きをコントロールし、どのようにして運動能力を最大限に引き出すのか、そのメカニズムを知ることで、私たちの限界を超える可能性が広がります。

また、イメージすることの重要性についても触れられていました。脳は実際の動作と同じように、イメージするだけでも神経経路が活性化されるという事実は驚きです。

スポーツ選手がイメージトレーニングを行う理由がここにあり、私たちも日常生活やスポーツにおいて、積極的にイメージを活用することで、パフォーマンスを向上させることができるのです。

さらに、呼吸法の大切さについても学びました。本書では、呼吸のタイミングやスピードがどれほど重要かが詳細に説明されています。

正しい呼吸法を身につけることで、瞬時にパフォーマンスを向上させることができるのです。実際に試してみると、その効果はすぐに感じられます。

5-5-10の呼吸法は個人的にも実践しています。

体重の10%はミトコンドリアでできているという事実にも驚かされました。

ミトコンドリアはエネルギーを生成する細胞内の小器官であり、その重要性を知ることで、エネルギー効率を高めるためのトレーニングや栄養管理の重要性を再認識しました。これはまさに目から鱗の情報です。

また、本書ではパフォーマンスとは運動であるという基本的な概念が強調されています。運動が私たちの心身に与える影響を理解することで、より健康的で効果的なパフォーマンスを発揮するための手助けとなるでしょう。

ミラーニューロンや学習についての話も非常に勉強になりました。ミラーニューロンは他者の行動を見ているだけで、自分がその行動をしているかのように脳が反応するというものです。

また言語化できる学習と言語化できない学習の違いが理解でき、指導者としてもより効率的な学習方法を見つけるヒントを得ることができました。

視ることについての解説も非常に勉強になりました。視覚情報がどれほど私たちのパフォーマンスに影響を与えるかを知ることで、より効果的なトレーニング方法を見つけることができます。本書を通じて、視覚の重要性を再認識しました。

このように、「可能性にアクセスするパフォーマンス医学」は、私たちのパフォーマンスを最大限に引き出すための具体的な方法とその背景にある理論を分かりやすく解説しています。

スポーツをする人だけでなく、日常生活でパフォーマンスを向上させたいと考えるすべての人にとって、非常に有益な一冊です。ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。