確かに、めったに合わない人や、一定のコミュニティーでは「挨拶や礼儀」は些細なことでも大切になってくる。
しかし一方で、気の知れた仲間や信頼できる関係性において言いすぎることは関係性の弱体化につながる可能性が大いに出てくる。
子供の頃、「ごめんなさい」と親に謝った時に「何回言ったらわかるの？」「言えばいいと思ってる！」「心がこもってない」とか「ごめんですんだら警察いらん」などと追い打ちをかけられた記憶があることはないだろうか？
ありがとうにもそれと似たニュアンスがあるのかもしれない。
例えば、中身が伴ってない人の会話は薄っぺらくて、話していても、時が経つにつれてくだらないものになって忘れてしまう。
一方で、たったの一言二言でも、その人の心からの本音はそれが本人にとって良いものであろうが、そうでないものであろうが、伝わることがしばしある。
そして、良い意味合いのものと昇華された時に心に強く残る。
気持ちやタイミングを考える重要性は無視できない。
例えば、何か手伝ってもらった直後に「ありがとう」と言うのと、数日後に思い出したように言うのでは、受け取る側の感じ方は大きく異なる。
心からの感謝の気持ちがタイミングによって薄れてしまうこともあるので、瞬間の感情を大切にするべきだ。
また、感謝の気持ちを伝える際には、相手の状況や気持ちを考慮することも重要だ。
忙しい時に長々と感謝の言葉を述べるのではなく、簡潔に、しかし真心を込めて伝えることが求められる。
本当に思っているのかと感じられないような行動が大切だ。
口先だけの「ありがとう」ではなく、行動で示すことが必要だ。
例えば、日常の些細な手助けに対して感謝の気持ちを忘れず、相手が喜ぶような小さな行動をとることで、言葉以上の感謝を伝えることができる。
これにより、感謝の気持ちが相手に伝わりやすくなる。
初対面や人間関係を円滑にするためには「ありがとう」は必要不可欠だ。
特に初対面の場では、感謝の言葉を交わすことで、互いの距離を縮めることができる。
また、日常のコミュニケーションにおいても、感謝の気持ちを表現することで、関係性を深め、円滑にすることができる。
お互いの関係性を正しく認識できれば、伝えること、伝わることができる。
信頼関係が築かれていれば、多少の言葉足らずでも、相手に感謝の気持ちが伝わる。
また、信頼関係が築かれていると、相手の意図や気持ちを汲み取りやすくなるため、感謝の言葉がより深く響く。
「ありがとう」「ごめんなさい」は相手がその質を判断すべきであって、言葉を放った本人がその質を決めるべきではない。
言葉の受け取り方は相手次第であり、こちらがいくら心を込めたつもりでも、相手がそう感じなければ意味がない。
だからこそ、相手の反応を見て、必要に応じてフォローアップすることが大切だ。
そして、自分自身の周りを振り返ってみて本当の友がいるかどうかはかなり先に超自然的にわかるようになる。
感謝の言葉を真剣に受け止めてくれる人や、その言葉に対して行動で応えてくれる人こそが、本当に信頼できる友である。
このような関係性は、時が経つにつれて自然に明らかになっていく。
孤独や疎外感と言うものはこういった言葉の積み重ねで生まれるものだ。
言葉一つ一つの重みを感じ、真摯に向き合うことで、人間関係がより良いものになる。
逆に、感謝の気持ちが伝わらないまま積み重なると、孤独や疎外感が深まってしまうこともある。
「恩を仇で返す」なんてのはもっての外だ。
自縄自縛になってしまうことに気づかずにいると大変なことになる。
例えば、言葉の軽さや表面的な感謝や謝罪の表現が原因で、他人からの信頼を失うこともある。
実際に、社会的事件の中には、言葉の重みを理解せずに発言した結果、大きなトラブルを引き起こしたケースも少なくない。
言葉はその人を表すと言うが、言葉の中身まで映すことを知った。感謝の言葉も同様で、言葉だけでなく、その背後にある心や行動が大切だ。
「鰥寡孤独」になるもならないも自分次第。
自分の言葉や行動が、周囲との関係性を築く基盤となる。
真心を込めた「ありがとう」は、その瞬間だけでなく、長期的に見て関係性を豊かにする力を持っている。
自分自身の言葉の重みを感じ、相手に真摯に向き合うことで、豊かな人間関係を築いていくことができるのだ。
感謝の言葉は、その瞬間の気持ちを表現する大切な手段だ。
しかし、その言葉が本当に相手に伝わるためには、タイミングや行動、関係性の理解が重要となる。
言葉だけでなく、心を込めた行動で感謝を示すことで、より深い信頼関係を築くことができる。
最終的には、自分自身の言葉の重みを感じ、その背後にある心や行動が真の感謝を伝える力となるのだ。
実に難しいがこれまた人生、日々精進。