怪我をしにくい、テニスも上手くなる「抜重」と言う概念

数年前から流行り始めた「抜重」という概念。

合気道の中での「脱力」の意味を内包していることから、今回は少し今からでも役に立つ次の動きを早くする方法、反応を良くする方法、きちんと理解すると怪我を未然に防げる方法についてのお話をしていきたいと思います。

「抜重」は、はじめの一歩を素早く動かすための動作として用いられます。

この技術は、瞬時に体の重心を変えることで、動作を軽やかにし、スピードを増す効果があります。

例えば、テニスにおいては、相手のボールに対する反応を如何に良くして、自分がベストな状態で返球できるかが重要になります。
この瞬間に「抜重」を用いることで、素早く次の動作に移ることが可能になります。

また、「抜重」は一瞬で強いボールを打つときの「タメ」を生み出す際にも有効です。

体の重さを一時的に抜くことで、力をため、最大限の力を発揮することができます。

しかし、一方で、力を抜こうと思うと、意識の上に上がってきてしまい、力みが生じたり、余計な負荷がかかってしまうことがあります。この状態が続くと、場合によっては怪我をしたり、逆に動作が遅れたりするリスクがあります。

この言葉のルーツは、古武術にあります。

古武術における「抜重」は、体の重心や重さを特定の部分から意識的に取り除くことで、動きをより速く、効率的にする技術の一つです。これを成功させるためには、常日頃から地道な体への意識、なんとなくを繰り返すことが成功の近道です。

「抜重」という言葉を横文字や熟語にすると、なんだか必殺技の呪文のように思えるかもしれませんが、実際はすごく意味のある奥深い言葉を単語にしているだけなので、表面的に飛びつかないことが大切です。

テニスにおいては、相手のボールに対する反応を如何に良くして、自分がベストな状態で返球できるかが重要になってきます。実は、テニスの練習中以外にも、なんとなくでいいので、体がふっと軽くなるような瞬間を繰り返し感じることが大切です。学校や職場の机に座っているときの自分の様子を俯瞰すること、他のスポーツを取り組んでいるときに、この感覚を感じることも理解して、実際に使うことができるようになるための不適だと思います。

結果として、テニスのコーチングのために大きく役に立った合気道の概念は、次のステップに進むための基盤となることでしょう。特に「抜重」の技術を身につけることで、プレイヤーは瞬発力と効率的な動きを実現し、コート上でのパフォーマンスが向上します。

では、具体的にどのようにして「抜重」を日常の練習に取り入れるべきかを考えてみましょう。

まずは、日常の中で体の重心を意識的に変える練習を始めます。例えば、歩くときに足の裏全体を意識して重心を移動させることで、軽やかな動きを体感することができます。これは、テニスのフットワークに直結し、コート上での素早い動きに繋がります。

次に、テニスの練習中に「抜重」を意識することが重要です。サーブやストロークの際に、一瞬体重を抜いてから力を込めることで、より強力なショットが打てるようになります。このとき、無理に力を抜こうとせず、自然に体がふっと軽くなる瞬間を見つけることが大切です。これにより、無駄な力みを防ぎ、スムーズな動作が可能になります。

さらに、「抜重」を取り入れた練習方法として、体のリラックスを重視したストレッチや呼吸法を導入することも効果的です。深い呼吸とともに体の力を抜く練習をすることで、試合中に自然と「抜重」ができるようになります。これにより、緊張状態でもリラックスしてプレイでき、怪我のリスクも軽減されます。

最後に、「抜重」は単なる技術ではなく、心と体の調和を図るための方法でもあります。日々の生活や他のスポーツ活動を通じて、常に体の軽さと動きの流れを感じることで、「抜重」を自然な動作の一部として取り入れることができます。こうしたアプローチが、プレイヤーの総合的なパフォーマンス向上に寄与するのです。

合気道の「脱力」としての「抜重」を理解し、実践することで、テニスにおける次のレベルへと進むことができるでしょう。この技術は、テニスだけでなく、他のスポーツや日常生活にも応用可能な有用なスキルです。日々の練習や生活の中で「抜重」を意識し、軽やかで効率的な動きを身につけていきましょう。