テニスを通じて学ぶ、心身のバランスと正しい努力

一生懸命って言うけれど、原点に戻ることを忘れてしまうと、ついつい脱線した上での一生懸命さを発揮してしまう…。

例えば、テニスが上達したいと思った時、アドバイスをもらいたいと思う。しかしそのアドバイスの深さを考える事は少ないように思う。

僕自身もそうだった。

テニスって足が重要だよねと言われて、ただ単に膝を曲げることや、足を動かすこと、ボールを追いかけることなどといった部分的なものでしか理解できていなかった。


例えば、足がなぜ重要かと言うと、足を動かすことで、お尻、腰、背中、肩、肘、手、首、手と連鎖していく地面と唯一設置しているのが足、サーブの時も、ストロークの時も、ボレーの時も、すべての動作に足が必要になってくる。

体重を乗せる、タメを作る、パワーを出す、素早く動く、ラケットの操作だけに、矛先が向いてしまいがちだが実はこのすべての動作をスムーズに成立させるために必要なのが重要なのだ。

例えば試合で勝ちたい、優勝したいと考える。そんな時ポイントを取ることのみに執着し、ゲームを奪取することのみに全てを懸ける。

実際のところはポイントの取り方や、得意なポイント、そうでないポイント、ケースバイケースでの順応性や、ゲームの流れ、試合展開など様々な要素を理解した上で勝てなければ頭打ちに終わってしまう。


一生懸命に勝とうとするあまり、ゲーム全体の流れや相手の弱点、自分の長所を生かす戦略を見失いがちになる。

これでは、勝つために必要な「全体を見る目」と「瞬間の判断力」を養うことができない。

テニスの試合においては、一つ一つのポイントが重要である一方で、それらが積み重なって全体の結果を形成する。

だからこそ、各ポイントをどう構築し、どのようにして自分のペースに引き込むかが鍵となる。

また、一生懸命に練習や試合に取り組むことは賞賛に値するが、そのプロセスで自分自身を見失わないことが重要だ。

一生懸命さが生み出すプレッシャーで、心理的なバランスを崩し、パフォーマンスが低下することもある。

最悪の例はイモジャッジをしたり、本質からかけ離れたところで相手を威嚇することだ。

テニスをする上で、身体だけでなく心のコンディションを整えることも、成長のためには不可欠だ。

ストレスを適切に管理し、試合や練習を楽しむ心持ちも育てることが、持続可能な成功への道を築く。

そのためには、一生懸命になることの本質を理解し、目的に対して効果的な方法で努力をすることが求められる。

例えば、テクニックの向上だけでなく、戦略的な思考やメンタルの強化にも焦点を当てる。

これには、コーチや仲間からのフィードバックを真摯に受け止め、自己反省と共に次のステップへと進む姿勢が必要だ。

また、誰を支持するか好き嫌いではなく適切かどうかという点から合う合わないを取捨選択する必要がある。

親や指導者のドリームキラー的な暴言はもちろんだが、親切心を装って一線を超えてもいけない。

最終的に、テニスにおいても人生においても、一生懸命に取り組むことは大切だが、その取り組み方がもたらす結果を最大化するためには、努力の質を高め、自分自身の成長という原点に立ち返ることが必要だ。

そうすることで、一生懸命の努力が一所懸命の継続を生み出し、実を結び、自己の限界を超える成果を手に入れることができるだろう。


初志貫徹、汝、初心を忘れることなかれ!