三省吾身の優先順位

優先順位をつけるということは何事においても大切だ、仕事においても重要度に分けて優先順位をつける、学問においてもスポーツにおいてもテニスにおいてももちろんそうだ。

僕は成績が芳しくなかった。

両親が高卒で苦労したと言う理由から、また自身も特に何をやりたいと言うこともなく、熱しやすく冷めやすいタイプだったため、軍隊のような高校に入ることに同意した。

馬鹿だった自分は何かにつけて「考えたふり」を結果としてしてしまう。

優先順位が全くわかってなかったのだ…。

「勉強しなさい」と言われたところで、具体的なイメージがわかないため、とりあえず教科書や問題集を開く、椅子に座る、そのうち寝転がる、そのまま教科書を見つめる…

赤線を引いたら教科書が真っ赤っかになった経験はあるだろうか?


当時の軍隊式の高校で教わったのは「問題を解きまくること」だった… 。

そして、小テストの繰り返し合格できるまで帰れない…
定期テスト、模擬試験…常に問題を解くことで、勉強を詰め込まれた。

受験勉強を終えて振り返って思ったこと「行動する」ことがまず大切だと言うこと。

そしてどういった順番で何を覚えていくか?
わからなかったらまず問題集を解いていく。

そして、何よりも、どんな問題集を解いてもわからない時は、単語や熟語をひたすら丸暗記する…。

要領を得てない人間はとにかく行動して、失敗して、修正を繰り返し優先順位がどこにあるのかを悟っていく必要がある。

仕事も時間との戦いだ。
1人のテニスコーチとしてレッスンする時も、運営側として年間のプランを立てる時も、得意先とやりとりをする時もどれを優先するかが非常に重要になってくる。

レッスンの時間配分はもちろん、メニューの組み方もメンバーによって変わってくる。

伝えることは簡潔に、ボールを打つ量を極端に減らすことはできない。

でも、これは何年もかけて何百時間も何千時間もかけて得てきた結果である。

しかし、何事もすぐにはわからない。
そんな時は、一見無駄に見えても、常に遠回りしながらでも時間を費やしながらでも、行動のルーティンワークを繰り返して要領を覚えていく。

自然と繰り返していくうちに必要な優先順位が見えてくる。

テニスにおいてもそうだ。
要領の良い子はすぐに結果も出るし、成績も伸びてくるだろう。

でも、大半の人間はそこに至らない場合が多い。
もちろん、僕もその限りだ。

とにかく繰り返してみること、その中から優先順位を見つけること。

球出し練習なのか?ラリー練習なのか?
それとも、根本的な練習時間が足りないのか…

体力が不足しているのか、筋力が不足しているのか?
年齢的に、やるべきことやらなくて、いいこと、やっておいたほうがいいこと様々である。

でもやっぱり何から手をつけていいかわからないことばかりだ。


まずはコーチに言われたことをやってみる…。
繰り返し時間をかけて…。

それで疑問に思えば質問してもいいし、自分なりのやり方を見つけてもいいと思う。

結局のところ、苦労をなくして、優先順位をつけることができないのだ。

だからこそ、遠回りすることは、実はとても大切で、優先順位は他人から言われてつけるものではなく、自分が一所懸命、考えで行動して、繰り返し試行錯誤すること以外に結果を見出すことはできないだろう。


優先順位の付け方は「無駄なこと/遠回り」をして初めてわたし流の優先順位が出来上がるのである。

「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言う格言はあながち間違っていないと、半生を振り返って気づかさせらる今日この頃。

しかしながら、全てにおいて人生経験が豊富なわけではない。

足りないカテゴリーは無駄を積み重ねて昇華させていこうと思う。

僕たちの人生は、まだ完結していない長編小説のようだ。

そう考えると、これまでの苦労や遠回りも、全ては物語を豊かにするための下地と言えるだろう。

今後も、未知の課題に直面するたびに、また新たな優先順位を見つけ出す必要がある。

そして、その都度、僕たちは「問題を解きまくる」精神を思い出すだろう。

学んだことを忘れずに、新たな状況に適応していく。この繰り返しが、僕たちを成長させていく。

もちろん、これからも間違いは犯すだろうし、失敗は避けられない。しかし、そのたびに僕たちは立ち直り、学び、前進する。

なぜなら、過去の失敗が今の僕たちを作り上げたからだ。

優先順位を見極め、時間を有効に使うことは、生きていく上での絶え間ない課題である。

でも、それが人生の醍醐味とも言える。なぜなら、その過程で自分自身を深く知ることができるからだ。

これからも僕たちは、一つ一つの経験を大切にしながら、自分たちなりの生き方を見つけていく。

そして、いつの日か、遠回りしたすべてが、この長い旅の中で最も価値のある部分であったことを、きっと理解できるだろう。

僕たちの人生は、無駄なことなど一つもない。
すべてが僕たちを形作るための大切なピースなのだから。

日々精進。