勝ちスイッチ/井上尚弥

井上尚弥選手への共感を強く持つことができた1冊でしま。

地元愛や両親、家族への尊重、そしてバランスの取れた生き方は人生の機微に触れる良い機会になりました。


たまたまボクシング界のスーパースター、井上尚弥選手について知る機会がありました。

元々はYouTubeのショート動画で彼の驚異的なKOを目にしていましたが、彼の哲学や生き方を知ることで、新たな共感を覚えるようになりました。

それぞれのエピソードや価値観をテーマ別に分けているのでとても読みやすい作品でした。

井上選手は有名になっても、彼の故郷である神奈川県座間市から離れないという選択には、深い地元愛と誠実さを感じます。

多くの成功者が名声やチャンスを求めて大都市に移住する中で、井上選手は地元に根ざし、その地で生活を続けることを選んでいます。これは、彼がどれだけ自分のルーツを大切にしているかを示すものであり、成功が人を変える必要がないことの証明でもあります。

さらに、家族や仲間を大切にする井上選手の姿勢は、彼の人間性の深さを物語っています。

スポーツ界でトップに立つ多くの選手が、しばしば競技に生活を支配されがちですが、井上選手はボクシング以外の時間も大切にしているようです。

これは、プロとしての厳格な訓練と、プライベートな時間のバランスを上手く取る難しさを知っているからこそできることでしょう。

井上選手には「めちゃくちゃ大きな欲望がない」という印象を受けます。

彼は、自分のやるべきことに集中し、それをコツコツと続けています。

これは、目の前の仕事に最大限の努力を注ぎながらも、過度な欲望に囚われない生き方の重要性を教えてくれます。

成功とは、自分の内面に忠実であり続けること、そして自分が信じる道を着実に歩むことにあるのではないかと、彼は示しています。

井上尚弥選手の哲学と生き方に触れ、私は新たな視点を得ることができました。

成功には多くの形があるということ、そしてその成功が常に派手なものでなくてもいいということを、彼は教えてくれます。

ロジャーフェデラーがジュニアの時、お父さんに「何位くらいになりたいの?」と聞かれた時に「100位に入れれば良いかなぁー」と言った返答をしたエピソードは当時、少し話題になりましたが、結局のところ偉大になる選手自身は大きな目標以前にたゆまぬ日々の「コツコツ」の継続が1番大切ではないのかと感じるようになりました。


彼のように、自分の信念に基づいて生き、身近な人々を大切にすることの素晴らしさを、私たちは学ぶべきです。

井上尚弥選手のこれからの活躍に期待するとともに、彼が示す人生の哲学にも注目していきたいと思います。

彼のような人物がスポーツ界にいることは、多くの令和世代の若い選手たちにとっても、そして私たち一般の人々にとっても、大きな気づきと希望となるのではないでしょうか。