ロゴセラピー

心理学系の本を濫読したり、簡単な資格を取ったりしましたが、こんな療法があることを初めて知りました。

タイトルから見ると、なんだか重々しくて読むのも嫌になってしまいそうですが、中身は非常に読みやすく、おそらく翻訳された方が卓越しているのかもしれません。

前回ご紹介した「エリザベスキューブラー(死ぬ瞬間と死後の生)」が、本書の中で話題に上げていた作品でした。

もともとは社会学者である大澤幸幸先生の方を卓越した読書家兼執筆者の方に教えていただいたのがきっかけでした。

まだ読んでいる途中ですが、簡単に言うと、人間は「生きる手立て」を得ることができたが「生きる意味」に気づくことができない人が多いことに対する処方先として誕生したようです。


いわゆる心理カウンセラーは、一定の方法で、どんどんどんどん相手の話を聞いて、深層心理をひもといていくといった手段を用いるのですが、ロゴセラピーは、相手と共に「生きる意味を見つける」ことを最大の目的とします。

その中でも面白かったのは「無理矢理病名をつけたり、画一的な処方箋を短時間で強要する事は「他の形で副作用が現れる」といったことを述べている点でした。

本人自身が自然と理解して、納得した上で「受容」しなければ意味がないと言う点でとても共感を得ることができました。

学校の勉強ができない子が良い点数を取ることだったり、スポーツで結果が出ない子を無理矢理結果が出る方向に引っ張り出したり、思ったようにいかない事実と言うものはこの世の中に溢れています。


実に興味深い内容で、考案されたきっかけは豊かになったはずのアメリカの若者の死因の第2番目が自殺だったことにも起因されているようです。

特に成績も優秀な方で、お金にも困らない生活をしていて、社会的地位も悪くない、そういった人に限って、ネガティブシンキングに陥るといった話も興味深いです。


「うつ病」は「贅沢病」といった見方をする学者さん達もいます。

理由は、貧しい国や発展途上国、つまり「生きるために必死な人たち」にとっては、そのように悩んでいる暇がないからです。


人間は、遥か昔、狩猟民族で、10歳までには半分の人が死んでいました、生きていくために必死でした。

いろいろと悩むことが増える昨今ですが、先日記事にさせていただいたエリザベスキャプラーもそうですが、少し立ち止まってネガティブ思考を俯瞰するためには、そして自分自身に期待をしすぎない積極的精神を持ち合わせるには最適の1冊かもしれません。


もしよろしければ手に取ってみたらいかがでしょうか?

私も最後まで読んだら、感想として投稿させていただきたいと思います。