日本人の歩数が減る今、健康寿命を守るためにできること

ニュースを見ていたら日本人の1日の歩数が減少傾向にあると報道されていた。

歩数と健康寿命の関係性は、以前こちらのブログでもお話しさせていただきましたが、今回もまた少し違った視点からお話し差し上げたいと思います。

日本人の歩行数は、ここ数十年で少しずつ減少してきています。厚生労働省の調査データを振り返ると、1990年には男性が1日平均8,000歩、女性が7,000歩と報告されていました。それが2000年には男性が7,500歩、女性が6,500歩に減少し、さらに2010年には男性7,000歩、女性6,000歩、2020年には男性6,500歩、女性5,800歩と減少傾向が続いています。そして、2023年のデータによると、男性の平均歩数は6,397歩、女性は5,768歩と、引き続き低下していることが確認されました。最新の2024年のデータはまだ公表されていませんが、この流れが続く場合、さらなる減少が懸念されます。

歩くことが健康に与える影響は、これまで多くの研究で明らかにされています。たとえば、オーストラリアの研究では、1日111分の追加歩行が寿命を約11年延ばす可能性があると報告されています。さらに、京都大学の研究では、週に1~2日だけでも1日8,000歩以上歩くことで、心血管疾患や全死亡リスクが低下するという結果が示されました。このように、たとえ毎日でなくとも、歩行がもたらす健康効果は非常に大きいといえます。

一方で、歩行不足が健康に与えるリスクも見逃せません。現代のライフスタイルは座りがちな生活を助長しており、それが肥満や糖尿病、心血管疾患といった生活習慣病のリスクを高めています。また、1日の歩数が少ない人ほどがんによる死亡リスクが高まるという研究結果もあります。歩くことを怠ると、これらの病気にかかるリスクが大きくなるだけでなく、生活の質そのものが低下してしまう可能性があります。

国際的に見ると、日本の平均歩数は依然として高い水準にありますが、世界的な都市化やデジタル化の影響で他国でも同様の減少傾向が見られています。この背景には、通勤スタイルの変化やデジタルデバイスの普及が大きく関与していると考えられます。それでも、日本人は伝統的に歩くことを重視してきたため、歩行を日常に取り入れる工夫をすれば、この文化的な強みを活かすことができるでしょう。

過去と比べると歩数が減少している現状ですが、歩くことは健康寿命を延ばし、生活習慣病を予防するために非常に重要な行動です。特別な運動や時間を取る必要はありません。通勤時に少し歩く距離を増やしたり、エレベーターではなく階段を使ったりといった小さな工夫で、歩行数を増やすことができます。日々の暮らしの中で少しずつ歩く機会を増やすことが、未来の健康を守る第一歩になるのではないでしょうか。

テニスをしながらウォーミングアップやクールダウンをウォーキングで、補強すれば、飛躍的な健康寿命アップが期待できると感じる今日この頃です。