夜の静寂を取り戻す音の処方箋

大体の人が余程でない限り、めちゃくちゃ立て付けの良い家に住んでいる事は多くないのではないでしょうか?
ある程度は防音されていても、部屋の中で飛んだり跳ねたりする衝撃を吸収して音が出ないという事はないと思います。

マンションやアパートに住んでいると、隣の人や上の人のドンドンする音が聞こえてくる事はしばしあります。
近くに商業施設があれば、朝早くから夜遅くまで賑やかな音が止まないこともあるでしょう。
落ち着いたと思ったら、深夜には搬入車が行き来してシャッター音が睡眠を妨げることもあります。

出張などが多い人は、特に騒がしい環境下で質の良い睡眠を保たなければ商談などに響くことでしょう。
この時ふと考えました、「音楽を聞けばどうか?」と。

自主的な引っ越し族だった私は隣人運の当たり外れが顕著に出ることが多かったです。また、出張先では安いビジネスホテルなどに泊まると、隣の音がまる聞こえすることもしばし…。
そんな時、J-Pop、洋楽、クラシック、インストゥルメンタルを一定期間、それぞれ聞いて、睡眠の質を上げようと試みたことがありました。

結論、クラシックは昔から集中力を上げたり、学力を向上させたりする可能性があると言われていましたが、睡眠にもその効果を発揮されるのではないかと感じることがしばしありました。
特にバッハやモーツァルトの作品は、穏やかな旋律と一定のテンポが特徴で、聞いているだけで心が安らぎます。私自身、何度かこうした音楽を聞きながら眠りにつくことを試してみましたが、特に忙しい日々の中でも深い眠りを得られることが多かったと感じています。

一方で、J-Popや洋楽はその歌詞やメロディーの起伏が刺激となり、かえって頭が冴えてしまうこともありました。特に好きな歌手の曲であれば、どうしても歌詞に耳を傾けてしまい、リラックスどころか意識がさらに覚醒する結果になったのです。インストゥルメンタルも試しましたが、曲によっては劇的な盛り上がりがあり、これも睡眠には向いていないと感じました。

では、なぜクラシックが最も効果的だったのでしょうか?
科学的には、クラシック音楽は脳波に影響を与え、リラックスした状態を作り出す「アルファ波」を誘発することがわかっています。アルファ波は、ストレスを軽減し、心拍数や血圧を安定させる働きを持ちます。モーツァルトの楽曲など、一定のリズムや周波数を持つ音楽は、自律神経を整えるため、心身を睡眠に適した状態へと導いてくれるのです。また、歌詞がないため、意識が特定の情報に引っ張られることがなく、純粋に音の流れに身を任せることができる点も大きな利点です。

さらに、クラシック音楽は心理的な安心感を与えるとも言われています。多くのクラシック楽曲が持つ穏やかで親しみやすい旋律は、無意識のうちに心を癒し、安心感をもたらします。この効果が、特に不安や緊張を感じている夜に役立つのではないかと考えます。

忙しい現代社会の中で、睡眠の質を上げることは非常に重要です。もし、騒音やストレスで眠れないと感じることがあれば、一度クラシック音楽を試してみてはいかがでしょうか?穏やかな旋律が、きっとあなたを安らぎの眠りへと導いてくれることでしょう。

テニスでうまくいかなかった時は、何か気持ちを切り替えたい時、クラシックは最高の処方箋となるかもしれませんね!