若気の至りと老害の狭間で…心と体のバランスを見つける

「加齢ではなく心と体のバランスではないか?」


私たちは年齢を重ねると、若い頃の「若気の至り」を懐かしく思い返すことが増えます。若い頃は、経験値が少なく、自分の可能性を試すために勢いで行動することが多かったかもしれません。失敗や成功を通じて、少しずつ自分を知り、成長していく時期です。若さの特権といえるこの勢いは、何もかもが新鮮で、挑戦することそのものが刺激的でした。


しかし、年を重ねると、同じことに挑戦しても、過去に経験した出来事と比較してしまい、「これも前に経験した」「もう知っている」と感じることが増えてきます。これが、若い頃には感じなかった「歳をとった」という感覚の一因なのかもしれません。経験が豊富であること自体は悪いことではなく、むしろ人生の大きな財産です。経験を通じて危険を察知する力が高まり、物事をより安全に進めるための知恵が備わります。しかしその一方で、無意識のうちに自分の知識や価値観が絶対だと思い込み、他者の新しい考えや行動を否定してしまうことがあります。これが、時に「老害」として批判される要因でもあるのです。


若さには若さの良さがあり、年齢には年齢なりの価値がありますが、結局のところ、大切なのは心の持ちようではないでしょうか。年を重ねることで得た知恵や慎重さは、私たちを守り、より良い選択を助けてくれる大切な力です。一方で、若い頃のような柔軟な心を持ち続けることで、年齢や経験に縛られることなく、さまざまな視点から物事を見つめることができます。経験値が多いことから生まれる「歳をとった」という感覚も、心次第でポジティブに捉えることができるのです。


経験を重ねた今だからこそ、若い頃に持っていた柔軟な思考を大切にし、心のバランスを保つことが求められます。年齢に関係なく、純粋な驚きや発見の感覚を持ち続けることは、私たちの心と体にとって非常に重要です。確かに、若い頃の勢いや新鮮さは時間とともに薄れていくかもしれませんが、それでも自分の心と体を整え、成長を続けることは可能です。


だからこそ、トータルで見たとき、少なくとも半分以上は前向きな捉え方をすることが大切です。若さゆえの勢いも、年齢によって培った経験も、どちらもポジティブに受け入れながら、心と体のバランスを保つことで、より豊かな人生が築けるのです。年齢や経験値に縛られることなく、柔軟で前向きな心を持ち続けることで、心も体も健康に、そして人生そのものをより楽しむことができるのではないでしょうか。