児童館で学ぶ子供たちの社会性と感情

少し時間が取れたので知人が館長を務める児童館にお邪魔させていただきました。
最近は小学校に隣接していることが多いんですね。

夏休みと言うこともあり朝から元気な子たちで少子化と思われないほどに賑やかでした。

楽しく遊んでいる時は平穏なのですが、アクシデントが起きます。やっぱり人と人の社会は子供の頃から開始されているのだと感じました。


ある子が、遊び道具を取りに行こうとしたら、Aくんが邪魔したらしく、お互いぶつかって喧嘩になったとか…。

でも、話の内容を聞いてみるとBくんの所に遊び道具があって、Aくんと衝突する方向ではなかったと…。

しかし、よくよく話を聞いてみると、元の発端の子供がAくんにちょっかいを出してきた可能性が浮上…。

次第に話している内容が支離滅裂に…。

そしてなぜか泣きながら訴えるその子よりも明らかにごっつい体好きのAくんが泣いている…。

知人はお互いの話を聞いて、ことの経緯を理解しようと努めていました。


実は、その子がAくんにちょっかいを出したことが判明。

そしてAくんは結果として圧勝したにも関わらず泣いている理由も判明。

自分の身を守ろうとして、手を出してしまったが、結果として他人に手を出したことにショックを受けている様子でした。

知人とは長い付き合いなので、お互いの性格は知れています。


昔から温厚で、誰からも慕われていた人間。

知人は誰がどう思ってどういうことが悪くて、どうすればことの経緯に至らなかったのかをそれぞれに優しく伝えていました。

後の話だけ聞いていても、結局は事実がうまく伝わらないことも多々あります。そしてそれを親身に聞いて理解させて正しく諭す必要性も重要です。

その出来事を見ていると、子供たちの世界も大人と同じように複雑で繊細だと改めて感じました。

彼らの小さな社会でも、感情の衝突や誤解が生じ、その都度解決していくプロセスが必要です。

知人の館長はその役割を見事に果たしていました。彼の落ち着いた態度と優しい声が、騒ぎ立てる子供たちを次第に落ち着かせました。

Aくんは涙をぬぐいながら、少しずつ状況を説明しました。

彼の目にはまだ涙が浮かんでいましたが、言葉を選びながら話す姿に、彼の内面の葛藤が見て取れました。館長は静かに耳を傾け、時折優しくうなずいていました。

その様子に、子供たちも安心感を覚えたのか、次第に喧嘩の経緯を冷静に語り始めました。

喧嘩の原因を探るうちに、Aくんが攻撃的になったのは、防御のためだったことが明らかになりました。

普段はおとなしい彼が、危機を感じて手を出してしまったのは、自分を守るための反射的な行動だったのです。

その事実を知ると、彼はさらに丁寧に、Aくんの気持ちを理解しようと努めました。

「確かにAくんも悪い、でも自分を守ろうとして行動したことは理解できるよ。でも、手が出る前に他の方法があったかもしれないね。」館長は優しく話しました。

Aくんは泣きながらうなずきました。「はい。でも、どうすればよかったのかわからなくて…。」

「そうだね、難しい時もあるよ。次回は、違う方法を考えてみよう」館長は続けました。

一方、ちょっかいを出した子供にも、館長は厳しさと優しさを使い分けつつ話しかけました。「あんたがわざわざちょっかいを出しに行ったのも悪い。君が100%悪いと言うわけではないけれどわざわざちょっかいを出しに行ったことが反省しないといけない。」続けて「いきなり来られたら、とっさに手が出ることもあるし、しょうもないことで友達を傷つけてはいけない。もっと違う方法があるでしょう」といったような内容でしていました。

その子は少し恥ずかしそうに、「うん…」と答えました。

そして「でも、なんで(相手が)泣いてるの?」と純粋な疑問を彼にぶつけ始めました。

そうすると、彼は「Aくんは、あんたに手を出したくなかったし、わざと攻撃しようと思ったわけじゃない、結果として攻撃してしまった。自分が嫌で泣いているんだよ」と話を続けました。

「相手がどう感じるかも考えることが大切だね。次からは、お互いに気持ちを尊重しながら遊ぶようにしようね。」館長は微笑みながら言いました。

その後、館長は二人の子供を和解させました。

私はその光景を見て、子供たちが自分の感情を学び、他者との関わり方を身につけていくプロセスの大切さを実感しました。

児童館はただ遊ぶ場所ではなく、彼らが社会の一員として成長していくための重要な場であることを改めて感じました。

そして、知人の館長が持つ温厚で理解ある態度が、子供たちにとって大きな支えとなっていることを強く感じました。

彼のような存在がいるからこそ、子供たちは安心して自分の気持ちを表現し、問題を乗り越えていく力を養っていけるのです。

児童館でのひとときは、私にとっても多くの学びを与えてくれる時間でした。

子供たちが直面する問題や感情の葛藤は、大人の世界と何ら変わりません。

それを見守り、支え、導いていくことの大切さを、知人の館長の姿を通じて改めて感じました。

その後も微笑ましく知人と思い出話をしていたのも束の間…、「C君が〇〇していて、A君が暴れてる〜!」


先生たちのお仕事は続く!
テニスにおいては超個人スポーツですが関係性を自分自身に向けつつあらゆる局面や技術においても一進一退を繰り返すことで日進月歩となるのでしょう。