練磨勝負

先日、同じ曜日の違う時間帯で、別々のお客様と試合と技術の話になった。

1人のお客様は、ハゲ打ち(激しく強打すること)が大好きで、もう1人のお客様はしっかり技術を学んで試合にも出てみたいと言う人。

紳士淑女である以上は僕は基本コーチに向かってはどんなボールを打ってもいいと思う。

試合に勝つこととテニスが上手くなる事は、「似て非なるものである」といったことを言う人が周りにはいるとの事…なるほど。

確かに間違った答えではない。

しかしながらそれはどこに着眼点をおくかと言うことと、強打をするから勝てないと言う結論には至らないと思う。

コーチと真っ向勝負をするたまに強打する、技術を磨くと言うことは、むしろ本当の意味での上達と勝利につながると思う。

試合と上達は違うと言う人たちの言うこともなるほど、確かに一理あると思う。

では、何が違うのか?
それはボールの質ばかりにこだわっていないか?
打ち方の理想の形に固執していないか?
得点することだけに結果を求めていないか?

これを無視して練習をして、試合に出たところで良い結果が出るわけはない。

満足いくがなくとも、それなりに成長し続けられる人は、この点を葛藤しつつうまく理解しようと練習に取り組んでいるのではないか。


そして、「今勝てるレベルの技術」を身に付けてしまえば、現時点より爆発的の成長はできなくなってしまう。

それでよしとする人もいれば、どんどん自己研鑽を繰り返していこうという人もいる。


この価値観の差が、試合と技術は別物といった概念に帰結するのであろう。


価値観は人それぞれで自分の追い求めたいものを積み重ねていけば良いと思う。

しかし、それを他人に強要する事は、好ましくない状況であると同時に思う。


話は少し戻るが、試合に勝てないという人は「試合は別物…/試合になると実力を出せない…」ついには「メンタルが弱い…」などと現実を直視せずに、ネガティブな形而上的なものを堂々巡りしてしまう。

初球ミスを繰り返しても平気な人や、工夫なく強打してミスを繰り返す人は確かに試合でベストを尽くすことができない、しかしこれは当然のことで、この文章だけでも良いポイントが取れないということは一目瞭然である。


結局のところ、試合を特別なものと考えないように、常日頃からレッスンのミニゲームや、仲間家でのショートゲームを特別なものとせずに楽しむことが大切なのだと思う。

そしてその中で「なんとなく」自分が何が足りないのかないつもの練習とどこが違うのかなあと「ふわっと」考えてみることが解決の糸口になると思うし、上達しながら良いポイントを積み重ね、良いゲームを積み重ね、ついには勝利へと結びつく唯一の方法なのかもしれない。

多くの成功例、そしてそれ以上の失敗例を見てきたが、この点においては「テニスあるある」の1つと言っても、過言ではないだろう。

日々精進!