寄る辺なき時代の希望 ― 人は死ぬのになぜ生きるのか/ 田口ランディ

武田双雲さんの本の中で出て来た影響を受けた本との事で躊躇なくポチッとな!

現代社会の複雑な問題について深く掘り下げた作品です。

彼女は「べてるの家」「チェルノブイリの事故」「水俣病」といった様々な社会問題の取材を通じて、人間存在の意味や生きる目的についての洞察を深めています。

べてるの家での取材を通じ、田口ランディーは障害を持つ人々の生活と彼らが直面する社会的な障壁に光を当てました。彼女は、障害者が自立し、社会の一員として尊重されるべきであるという強いメッセージを伝え、これが人間としての尊厳と自立の意味を再考させます。

ちなみにこの施設は年間億単位の売上をあげてあるらしいです。

チェルノブイリの事故についての取材では、田口ランディーは原発事故の長期的な影響と、その地域に住む人々の生活に焦点を当てました。

彼女は、災害の後に残された人々の生活と彼らの強い生命力を描写し、生と死、そして人間の不屈の精神についての考察を深めました。

東日本大震災の前に執筆されているのでJCOの臨界事故について原発についてのエピソードや賛否について述べていました。

水俣病のエピソードでは、田口ランディーは産業活動が人間と自然に与える影響について詳述します。

彼女は、環境破壊と公害病が人の生命と健康にどのように影響を与えるかを検証し、これが私たちの生き方や価値観に与える影響を探求しています。

また、この社会問題を風化させないためにもどこにフォーカスさせるべきなのかについての文章は特に感銘を受けました。

これらの社会問題の取材を通じて、田口ランディーは、霊魂の存在を感じることの意味と、それが人間の生と死、そして私たちが直面する社会的、環境的課題とどのように関連しているのかを探ります。彼女は霊感を持たないとしながらも、霊魂の存在を肯定し、現代社会における科学と霊性のバランスについて深い洞察を提供します。

この本は、田口ランディーの独特な視点と深い思索が織りなす、現代社会と人間存在に関する深い洞察の集大成です。

社会的な問題、個人の苦悩、そして霊魂の存在に関する彼女の考えは、読者に新たな視角を提供し、人生についての深い思索を促します。

目に見える以上のもの、見えるだけが全てではないのはテニス人の上達や勝敗にも関わるものだとも感じることができました。

世の中の見方によって色々なことが変わるのだと強く思います。