給料95,000円社長

決算期が終わり次期の事業計画の話になったときに必ず言われること、「お給料多すぎじゃないですか?」…。

一般企業と比較して、取り分け良い訳ではない。

ただ、スクールの規模として、売り上げに対しての対比に対してだと付け加えておきたい。

一般的に、1面に対して300人いれば、それなりの優良テニススクールだと評価される。

あるテニススクールのと言うよりも、日本企業においても「優良」と評価されている社長さんに「江戸川区でテニススクールを運営したい!」と言った時に、「2面で800人は必要かな?」と物の数秒で返答いただいたことが記憶に新しい。

つまり、それだけテニススクールの運営と言うものは、簡単ではないと言うことだと感じた。


料金が安ければお客様のお財布に優しい、一方で、トータルの売り上げにも反映されるため、総売り上げが低ければ、働いているスタッフのお給料には反映されないのは自明の理である。

もともと私自身がアルバイトから始まり、フリーのインストラクター、業務委託といったような形で「現場のコーチ」としてたくさん働かせてもらった身である。

駆け出し当初在籍「0人」のクラスから始めた頃は、なんとかテニスの王子様ブームが起因して頑張ることができたが、毎日がヒヤヒヤだった。

時間は1,000円からのスタート。
めちゃくちゃ身を粉にして働いた年があって370万程度、税金引かれて270万程度、さらにその他諸々…

ある程度お客様を集められることができ、少し評価されるようになってきた時で「時給1300円程度だった…」正直、これだけ働いてお先真っ暗な状態が続いた。稼働率7割から8割と言う状況だったから尚更のことだ。

喉元過ぎれば熱さを忘れる…これは体調不良や、勉強不足、怪我などその他諸々、いろいろなことに警鐘を鳴らす言葉となっている。

もっとわかりやすいのが部活の先輩になった途端に、今まで後輩だったときに嫌だったことを知らず知らずのうちに侵入部員に強要してしまうことは顕著な例だろう。

だから、スクール運営のお手伝いをさせて頂いた時に全力でギリギリのラインを突っ走っていこうと誓った。

そして僕自身もそうしたいと思った。

売り上げもいろいろな形態があるが、100%会社の持ち物や個人の投資だった場合は、まず借金をして、かつコート修繕、備品のお金を貯めていかなければならない。

広告宣伝費もその限りだ。

委託の形であれば、売り上げの半分以上は契約に持っていかれる。

前述した通り、自社物件はいろいろな投資の結果回収しなければならないため、10年、20年続くまでは、オーナーも大変なところである。

また、人口あたりの収容人数を考えても、テニススクール事業と言うものはほど、テニスが好きなお金持ちでない限り莫大な利益を上げることさできない。

だから言って雇われ人だった頃の心がモヤモヤを働くスタッフに押し付けるのは論外である。


オープン当初から6年経ったままでも、1度も値上げをしていないというのが奇跡だとも思う。

コート改修工事、コロナ、物価高騰、少なくとも3回は値上げ余儀なくされる場面に直面した。

お客様が楽しく、真剣にライフスタイルの一環を担って、かつスクールが継続できる状況が1番理想的、そして働いてくれているスタッフにも最大限還元していきたいと強く思う。

実に難しいこのバランス、三者三様、そしてお互い利害関係が「折衷」する拮抗点を常に模索しなければならない。

お上が見るところはいつも同じところ、争い協調しつつも最適解を求め続けていきたいと思う。