社会学入門/見田宗介

読書を通じて学びを深めることは、どの年齢においても大切だとしみじみと感じざるを得なかった一冊です。

尊敬する読書家の大先輩に薦めていただいた作者のひとりでした。
そしてようやく(本を読むのが遅いので)見田宗介先生の「社会学入門」を読む機会がありました。

この本は、大澤真幸先生の師匠である見田宗介先生によるもので、私にとっても非常に勉強になりました。



以前は、社会学という学問について、正直、40歳になるまで理解していなかったというのが正直なところです。学生時代、社会学は単位を簡単に取れる学問という程度の認識しかありませんでした。

しかし、この本を読み進めるうちに、社会学の奥深さと広がりについて新たな理解を得ることができました。社会学は、経済学や統計学などのように、その学問自体で成立しているものとは異なり、あらゆる要素を取り入れ、境界線を設けないのが特徴です。これにより、定義を広く持ち続けることこそが、他の学問と大きく異なる点だと感じました。

社会学の可能性は、時間、価値観、文化、風習、地域性など、多様な要素によって無限に広がります。見田先生の実例を交えた説明は、親近感をもたらし、私のような「凡人」でも徐々に理解でき、共感できる内容となっています。

また、社会学は、人生の方向性や生き方においても、押し付けがましくなく、自然に心に入ってくる知恵を与えてくれます。「成長-消費」サイクルと「自然」の有限性についてのお話は環境問題や資源問題は地球規模で考えさせられました。

この本は、社会学の「魂」と理論の骨格を若い人に向けて語る基本テキストとして、多くの人にとって有益であることでしょう。

この感想がテニススクールの皆さんにとっても、何か新しい学びや刺激になれば嬉しいです。お時間が許す限り、是非一読されることをお勧めします。