子供のやる気を育む方法⑤ (歩んだ年数に比例する自己肯定感)

先日とあるお客様(中学校2年生から付き合いのある子)と話をしていたときのエピソード。

気がつけば酒も飲める歳になって、8年位の付き合いでしょうか?
大学生も後半に差し掛かってくると「就職活動」が頭をよぎり、少し閉鎖的な世界に入り浸りたくなる年頃です。

なんだかんだで足しげくレッスンを受けてくれ、実力はさることながら、コミニケーション能力も高くなりました。

付き合いが長くなるとお互いの性格や、会話の傾向が超無意識的に理解できるため、お互い何を望んでいるかというのが手にとるようにわかります。

若い頃はどうしても周期的に「不安」が脳裏をよぎるもの。それは「人生の経験値」によるもので亀の甲より歳の功と言われる所以なのかも知れません。

話題の中心は社会人になることについて…「部活をやっていると就職先が良い」といった問題でした。

しかし彼はアルバイトを一生懸命していました。今でも続いています。


私自身も大学生時代の当時はその傾向にありましたが、学生の頃は情報にバイアスがかかりすぎて知らないうちに視野が制限されてしまいます。

バイト先は高級飲食店、今では店長並みにやることが、任される仕事が増えたらしく、大変だと話していました。

一応、私自身も及ばずながら新卒採用で就職をして、採用のお手伝いもした経験があります。

案外、みんな適当に採用してるんだなと若輩ながら感じたことを昨日のことのように記憶しています。

正直スポーツ業界にいても思いますが、「部活をがんばりました」と通用するのは高校生まで。
それもインターハイや関東大会位の成績でなければ優遇されません。

殆どの人事で1番気にかける事は「その子がどういう人柄なのか?」と言う点です。

そしてその子はどのようなことを学生時代に積み上げてきたのかと言う点を掘り下げられます。

もちろんこの限りでない場合もあると思いますが、概ねこのような点が重要な要素となってきます。

そして必要なのが「社会人」としての将来的な素養を問われます。

僕の視点が少し変わっているのかもしれませんが、「何年も同じ店に勤めて、必要なスキルを身に付けた点」がとても素晴らしいことだと言う旨を彼に伝えました。

1つのことをしっかりと極めるために何年もかけて努力をすると言う事は、社会においても必要なことだと思いますし、生きていく上でもっとも大切なことだと思います。歩みを止めることは心臓の鼓動のそれと似ている気がします。

また、彼は近しい親族の方が別のお仕事を営まれているため、「すごくラッキーなことじゃない?」と伝えました。

今の世の中はいろいろなことに目を向けて自分自身を磨いてやりたいことを全うしていく時代だと思います。

終身雇用は崩壊し、仮想空間でも仕事ができるようになりました。

大切な事は、想像力と創造力です。

そして彼にはテニスがあります。

少なくともスタートラインに立った時に彼は3つの武器を持つことになります。

そして生かすも殺すも彼次第。

20代前半でこんなラッキーな事はありません。

そしてそれら全ては彼自身が「継続する」と言う努力を怠らなかったからこそ見えてきた将来への大きな兆しなのだと思います。


なんとなく続けている事でも、回数が増え、時間が増え、トータル時間が、そして質が高ければ高いほど老若男女問わず未来は明るいのだと思います。

鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしながらも、彼は腑に落ちた様子でした。

もちろん、ご存知の方も多いと思いますが、文章に書き起こしているような綺麗な言葉で彼に伝えたことではないと言う点はご了承ください(笑)

付き合いが長いと「個性」と「個性」の協奏曲になっていきます。
不協和音も耳をすませばスパイスの効いた良きアドリブにもなります。

要は自分の強みを積極的に感じること。

青二才だった僕が初老になり、青二才だった彼が青年になり、少し先の人生を歩んでいるアドバンテージが彼の心に響いたのであれば幸いです。

人と人って本当にすばらしいですね。